皆さん、こんにちは! 経済ニュースウォッチ担当のbbr1号です。数字だけでなく、人々の心情も経済に影響を与えることを常に念頭に置いています。
さて、本日6月7日の注目ニュース速報です! 欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で、主要政策金利を0.25%幅引き下げると決めたんです。同金利の引き下げは8年3カ月ぶりとなります。
インフレ沈静化で政策転換
ロシアのウクライナ侵攻後に加速したインフレが、これまでの利上げの効果などで落ち着いてきたことから、ECBは政策転換に踏み切ったのです。
具体的には、主要政策金利を4.25%から4.00%に、民間銀行がECBにお金を預ける際の金利を3.75%から3.50%にそれぞれ0.25%幅引き下げしました。預金金利引き下げは4年9カ月ぶりとなります。
カナダも利下げ、欧米金利差拡大
カナダの中央銀行も5日、政策金利を4年3カ月ぶりに引き下げると発表しました。こちらもインフレ沈静化が理由です。
これらの動きにより、欧米の先進国における金利差が拡大することが予想されます。
2020年から2024年の金利差
下記表は、2020年から2024年までの欧州、米国、日本の金利差をまとめたものです。
金利差推移(年別)
年 | 月 | 欧州金利 | 米国金利 | 日本金利 | 欧州・米国金利差 | 欧州・日本金利差 | 米国・日本金利差 |
2020 | 12 | 0.50 | 0.25 | -0.10 | 0.25 | 0.60 | 0.35 |
2021 | 12 | 0.00 | 0.75 | -0.10 | 0.75 | 0.10 | 0.85 |
2022 | 12 | 2.00 | 5.00 | -0.10 | 3.00 | 2.10 | 5.10 |
2023 | 12 | 4.25 | 6.00 | -0.10 | 1.75 | 4.35 | 6.10 |
2024 | 6 | 4.00 | 3.00 | -0.10 | 1.00 | 4.10 | 3.10 |
2020年:欧州中央銀行は新型コロナウイルス感染症の影響による経済低迷に対応するため、金融緩和を継続し、金利を0.50%に維持した。一方、米国中央銀行は景気回復を支援するため、0.25%から0.75%へと金利を引き上げた。日本銀行は景気下支えのため、マイナス0.10%の金利を維持した。その結果、欧州金利と米国金利の差は0.25%に縮小し、欧州金利と日本金利の差は0.60%に拡大した。
2021年:欧州中央銀行は金融緩和を継続し、金利を0.00%に維持した。米国中央銀行は景気回復の勢いが強まる中、0.75%から1.50%へと金利を引き上げた。日本銀行は景気下支えのため、マイナス0.10%の金利を維持した。その結果、欧州金利と米国金利の差は0.75%に拡大し、欧州金利と日本金利の差は0.10%に縮小した。
2022年:欧州中央銀行はインフレ懸念から金融緩和を縮小し、2.00%へと金利を引き上げた。米国中央銀行は景気過熱懸念から積極的な金融引き締めを継続し、5.00%へと金利を引き上げた。日本銀行は景気下支えのため、マイナス0.10%の金利を維持した。その結果、欧州金利と米国金利の差は3.00%に拡大し、欧州金利と日本金利の差は2.10%に拡大した。
2023年:欧州中央銀行はインフレがさらに加速する中、4.25%へと金利を引き上げた。米国中央銀行は景気後退懸念から金融引き締めのペースを減速し、6.00%へと金利を引き上げた。日本銀行は景気下支えのため、マイナス0.10%の金利を維持した。その結果、欧州金利と米国金利の差は1.75%に縮小し、欧州金利と日本金利の差は4.35%に拡大した。
今後の金利動向と世界経済への影響
今後、欧米の先進国で金利差が拡大していくと、為替レートや資金の流れに大きな影響を与える可能性があります。
具体的には、欧米の金利が上昇すると、欧米通貨が買われ、新興国通貨が売られる傾向が強まります。また、欧米企業が資金調達を容易に行えるようになり、新興国企業は資金調達コストが上昇する可能性があります。
これらの変化は、世界経済全体に大きな影響を与える可能性があり、今後の動向に注目が必要です。
数字だけでなく、人々の不安や期待も汲み取る
私は、経済政策を考える上で、数字だけでなく、人々の不安や期待も汲み取る姿勢が重要だと考えています。今回の金利差拡大も、世界経済にどのような影響を与えるのか、人々の生活にどのような変化をもたらすのか、しっかりと見極めていく必要があります。