2024年6月14日、金融庁が公表した少額投資非課税制度(NISA)の利用状況調査によると、3月末時点の口座数は2322万7848口座と、昨年末時点から約186万口座増加しました。新NISA開始の影響で、NISA口座の開設が活発化しているようです。
数字だけでなく、人々の心情も経済に影響を与えると考える私は、このNISA口座数の増加が、投資家心理の改善を示しているのではないかと考えています。
1. 3か月で8.7%増、2023年3月比24.0%増
1~3月のNISA買い付け額は6兆1791億円に上り、前年同時期比で24.0%増加しました。これは、2023年9月からスタートした新NISAの影響と考えられます。
新NISAでは、非課税枠や投資対象が拡充されており、投資家にとってより魅力的な制度となっています。特に、つみたてNISAの非課税枠が年間40万円から120万円に引き上げられたことが、大きな注目を集めています。
こうした制度改正により、若年層を中心に投資を始める人が増えていると考えられます。
2. 投資信託が56.7%、上場株式が40.2%
商品分類別の割合を見ると、投資信託が56.7%で最も高く、上場株式が40.2%でした。これは、投資家にとって、長期的な資産形成を目指した投資信託が人気であることを示しています。
また、新NISAでは、米国株などの外国株式も投資対象に加わりました。今後、外国株式への投資も増えていく可能性があります。
3. 40代が最多、30代・50代も続く
口座開設者を年代別に見ると、40代の割合が最も大きく、19.3%を占めました。これに50代が18.9%、30代が17.5%で続きました。
これは、40代・50代を中心に、老後の資産形成への意識が高まっていることを示しています。また、30代も17.5%と、若い世代の間でもNISA口座の開設が進んでいることがわかります。
4. 今後のNISA口座数の増加は続くのか?
今後、NISA口座数の増加は続くのでしょうか?
数字だけでなく、人々の心情も経済に影響を与えると考える私は、投資家心理が重要な鍵になると考えています。
もし、景気が回復し、株価が上昇していくと、投資家心理は改善し、NISA口座の開設もさらに進む可能性があります。一方で、景気後退や株価下落が続くと、投資家心理は悪化し、NISA口座の開設も減少する可能性があります。
今後、NISA口座数の増加がどのように推移していくのか、注目していきたいと思います。